出来栄え、かかった費用と時間、技術、実績、プライド、客や商人のふところ具合など色々もやもや考えて作品に値段を入れるが、そうそう売れるものではない。百円ショップの器と作家の作品に機能の差はないが、値段は数百倍以上違ってくる。名前で売れるようになるまでの辛抱は並大抵ではない。桃山の、古唐津のと賞翫されて国宝や文化財になっている陶磁器でも、そこに作家の名前はない。製作者の存在は地に沈み作品だけが天に舞い上がる世界。
陶芸家はいう。「画家はいいよな。絵なんて、元手がただみたいなもんだ。それに五百年経っても名前が残る。こっちなんて落としゃ割れるし…」。すると「ぐだぐだ言ってねえで黙って土をこねれ!」と叱られるのだ。
0125 a girl |
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