三ヶ月を過ぎた頃その先輩から悲鳴があがった。「何でもいい。何か手伝える仕事はないか」
話によると、やりたいことはあらかた三ヶ月のうちにやってしまった。毎日家にいるのが苦痛で仕方がない。冷暖房完備、ソファに坐って好きな本や雑誌を読みほうだい、音楽や映画も楽しめてお金もかからない、図書館天国や!と聞いて通いだしたが、周囲を見ると同じような境遇のご同輩ばかり、これにも飽きたという。お金は二の次、比較的近くで、軽作業で週の半分も働けるようなパートでもあればと思うが、見つからないらしい。
「囚人も辛いだろうが、何もやることがない自由というのもキツイよ…」先輩はそう言って長い溜息をついた。
いま、公営の図書館やプール、ジムなどに時間を持て余し居場所に困ったシニア難民が押し寄せているらしい。
甘えるでねえ!畑の草でもむしっとれ!
0621 old woman |
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