2016年5月13日金曜日

走る

最後に駆けたのはいつだったのか思い出せない。それぐらい走っていない。たぶん駅の階段あたりかと思うが、当然覚えていない。日常、よいおとなが真剣走りをする機会など、そうあるものではない。昔、武士は「走るのは平常を失ったしるしで恥」だったそうで、「ゆっくりと歩くのを嗜み」とし、選挙時の政治家みたいなバタバタはしなかったようだ。もちろんそういう志とは関係ないだろうが、現代人は走らない。街で思い切り走っていたらスワ何事かとなって、周囲を驚かせる。ひとは理由がないと走らないからで、その理由が「逃亡」「緊急」「異常」などの不審を想起させる。運動と駅以外の場でひとが走るとえらく目立つ世の中になっているわけだ。

一方この生き物ばかりは、駆ける駆ける。きのうも、呼び寄せようとしゃがんだら、その動きにに驚いて一目散だった。




running cat

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