2016年1月8日金曜日

芸術の大敵

朝酒飲むのも、少し贅沢なものを食べるのも、寝てばかりで何もしないのも「お正月だから…」これですべて言い訳がたつ。確かに日本人は勤勉なので、こういう自堕落が許される時間は貴重だ。みんながネコのようにだらだらしている、という横並びの安心感もある。

しかし安逸こそ芸術の大敵で、お正月だの初詣だの新年会だのといった世間並みに静かに背を向けることは、芸術を志すものの最初の一歩というものだろう。

自分の創作のペースが乱されるのを何よりも芸術家は厭う。年末年始のテレビだったが、北斎は毎朝、龍の絵を描くのを日課にし、これが仕上がるまでは客が来ても会わなかったという。作家も仕事場を借りて会社員のように定刻に通って書く人がいる。一流のスポーツ人もまた、決まったルーチンを自分に課し、頑なにそれを守るらしい。自分の型をつくり、その型に嵌めて毎日繰り返すのが大事で、自由人だからといって放埒な生活はしていない。

普通の正月:芸人だらけのテレビを見ながらこたつで団欒
凡庸な芸術家:「俺は俺の道を行く。正月も関係ない」といつもより気張って創作
一流の芸術家:普段通り淡々と創作
天才または変人:正月がきたのも知らずに創作

正月を理由に創作を休むなどはもってのほか。アウトなのである。去年最後の絵。



1228 for nikolai blokhin

0 件のコメント:

コメントを投稿