2016年6月14日火曜日

レイ・チャールズ(Ray Charles Robinson)

視覚を失った音楽の巨才の顔ぶれを見ると計り知れない人間の潜在能力というものを思う。あるものを失ったがために別のものが突出するといった単純な物理ではなく、この一点に注いだ時の能力の飛躍ぶりや可能性。失うことが契機になったにせよ、あるいは持って生まれた資質的な背景があったにせよ、ひとが「これしかない」と定めてうがち始めた一点は、時に巨大な結果をもたらす。
逆に言えば、ふつうはこの一点しかないと追い込まれるような状況は生まれないから、周囲の刺激や常識、時の流行に翻弄されて色々なものを追いかけ、結局なにものにもなれない。「選択と集中」は一世を風靡したビジネス用語だが、こういう標語が生まれること自体、それがいかに困難かを物語っている。



0608 Ray Charles Robinson

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