2016年6月21日火曜日

志賀直哉

創作というものは孤独な作業。陶芸、絵画、作詞、作曲、小説、脚本…作品を産み出す場は大抵密室で周囲に人はいない。だからというわけではないが、作家は多弁になる。口には出さない。自分に語りかける。「いい感じだ!」「調子がでてきた」「うまい!」「さすが!」「もうちょい!」「天才だ!」「これは傑作」「スゴイ!」「痺れる!」などなど。こうして自分を常に励ましてくれるおだて上手なコーチが自分のなかにいて、それと会話を交わしながら作品を進めていく。
この反対に「叱咤型」のコーチをもつ人はいるのだろうか。「能なし!」「へたくそ」「またそれか!」「●●にそっくりじゃないか!」「やめてしまえ」こんな声が聞こえてきたら普通はやってられない。
たぶん、作家たちはそんな厳しい自問自答(自意識)にさらされているからこそ、おだて型のコーチを必要としているのだろう。自分で自分を褒めて、多少の酩酊感がないことには、とても孤独に堪えられそうにない気がする。それともホンモノの天才には、そんなものは必要ないのだろうか。



0613 Naoya Shiga


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