2015年11月24日火曜日

ろくでなし

芸術は食えない。大名や大寺から依頼を受けて襖絵を描いたりする高名な絵師はいたがごく一部の話。西洋でも貴族やパトロンに抱えられ衣食が満たされればまずは現世の大成功といったところ。ほとんどは下積みのまま食うや食わずは知れたこと。ひとつの壺や絵に何億、何十億というのは最近の話(桃山時代に茶道具に狂って大金を投じる大名もいたが)であって、そんなものは作った本人には何の関係もないことだ。こんな当てどのない世界に身を落とし、悶々のうちに一生を費やすというのだから、芸術家ほど「ろくでなし」はないだろう。大根のタネでも蒔いている方が余程手応えが確かだ。これは現代でも状況は同じ。だから尊い。

西洋人を描いてもどうしてか日本人ぽくなる。



1117 a woman

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