2016年1月21日木曜日

夢は夜ひらく

二度寝するせいか朝方よく夢を見る。夢といえば…1970年。藤圭子が歌った大ヒット曲の歌詞はずっとこうだと思っていた。

きのうまーぼぅ(幻)
今日と見ぃ
明日は情事か健忘か
恋ははかなく過ぎてゆき
夢は夜ひらく

<詞の勝手解釈>
きのうは幻のように遠く思われたひとが
きょうは現実のものとして目の前にいる
あすは深い情を交わし合う仲となるのか
それとも忘却の彼方へ去ってしまうのか
・・・

現在過去未来の時間軸の中で定まりなき男と女の関係を簡潔な言葉で描いた傑作だと思っていた。特に幻を「まーぼぅ」と縮めて言い捨てたところに、やさぐれた女の境遇が忍ばれ、藤圭子のイメージと重なる。情事か健忘か、といった言葉の響き合いも実に文学的だ。しかし40年ほど経って初めてこの詞を目にして衝撃を受ける。

きのうマー坊
きょうトミー
あすはジョージかケン坊か
・・・

全部男の名前だったのだ。勘違いのままでいたらよかった。しかしよく考えてみると男の名前を並べながら、意図するところは上の解釈と同じようなものかもしれない。あるいは、男の名前に解釈のような意味をかぶせたダブルミーニングだったのか。
作詞家の石坂まさをも藤圭子も同じ年2013年に没している。



0113 a man



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