2016年4月14日木曜日

嫌なやつ

昔の田舎では、犬の放し飼いというのが結構あった。こういう犬に限って「嫌なやつ」が多かった。悪い上級生の場合と同様、放し飼いの犬がいる家の前を通るときは、少し前から様子を伺い、いるのかいないのか、緊張しながら歩いたものだ。相手が子供だと、余計に舐めてかかる。自転車で通ると吠えながら走ってきて、顔をひきつらせながら必死でペダルを漕ぐと「今日はこれぐらいにしといたろ」といった感じで悠然と追うのをやめる。自転車がいけないのかと手前で降りて押して通ったこともある。まるで関所だ。そのくせ、おっさんが大きな自転車をよたよた漕いでいても何もしないで寝ている。本当に嫌なやつだった。

この犬はよい犬。悪いのは赤毛で短毛、口周りが黒い、と決まっていた。



0406 good fellow

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