2016年7月25日月曜日

やまゆり

丹那の山はやまゆりが満開の時期を迎えている。毎年、梅雨の終わりから夏本番にかけての半月あまり、山野草の主役となる。ここに暮らし始めたのがちょうどやまゆりの咲く頃で、それまで比較的珍しいものと思っていたこの花がその辺の道端に普通に咲いているのでびっくりした。山道の斜面や半日陰の雑木林、人家の庭先など、雑草だらけの中からたくさんの蕾や花のついた茎をたわませ、石垣の隙間から長い首を伸ばしている「根性ゆり」もある。あたりには洋菓子でも焼いているような、甘い香りが漂っている。

ゆりの花は目立つので、ひとが採掘して持って行ったり、百合根はうまいので、イノシシが掘り返して食べてしまったりで、天然のものは随分減っている。ここがこれほどの繁殖地になったのは、繁殖の適地(山)に人が住むようになって、天敵(この場合、採取者とイノシシ)が活動しづらいせいかと思う。ツバメと一緒で、ひとと共生することで繁殖のための環境を得ているようだ。


たった一本で花束

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