2015年10月29日木曜日

絵はウソをつく

絵には有るものが無かったり、より大きくなったり小さくなったりということがある。木炭画でも細部を簡略化したりボカシたりするのは実際にそう見えるからではなく、絵の効果を高める技法(単に面倒だからというのもあるけど)としてやっている。人間性の解放が叫ばれ、絵も印象や主観が尊ばれるようになった頃から、絵は作家の意図を表現するものになってくる。こうなるとそれはもうフィクション。
リンゴの絵は、目の前のリンゴを描いたのではなく、リンゴを題材にしたフィクション。きっとそれは実際のリンゴよりもチャーミングだったり、毒々しかったり、いびつだったりする。心に残る、鮮やかなウソをつきたいものだ。


0927顔

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